農家×DJ×獣害対策

新たに若者が面白い取組みを始めました。それは農家の仕事とDJと獣害対策を上手く組合わせた取り組みです。
イノシシパラダイス、青年の奮闘(福井新聞)

彼が農地として手に入れた土地は、福井県の越前町の中でも最も山奥で、いわゆる中山間地域です。それはイノシシの生息する山から最も近い農地であるとも言え、無農薬で手塩にかけて育てた米をイノシシに盗られるという苦労があるということです。

最奥地の集落ですから人口も少なく、農地のある土地は電柱や民家が1つも無い地域で、まさに動物たちのパラダイス、人の目を盗んで水田に侵入するのは容易いことと思います。

そこで彼が考えたのが、田植えのイベントを開催し若者を集め、その中でワークショップを行い獣害対策を考えるといったものでした。

ワークショップで得られた意見で多かったものは以下の3点だそうです。

  • イノシシを獲る
  • 音を流したり、イノシシの嫌がることをしたりする
  • 犬や、その他のイノシシの恐れる動物を飼う

その中で彼が注目したのは、音を流したり、イノシシの嫌がることをするということ。そして田植えイベントに参加した友人が、田んぼでDJすることを引き受けてくれたこともあり、獣害対策DJイベントの”Mount of Music”を開催したということです。
皆で騒いでイノシシを寄せ付けないという作戦です。地域の人の理解と協力も必要だったと思います。

一般の農家の方々がやらないことをやるという行動力がすごいなと思いました。また、田植えイベントの中で獣害対策の現状を若者に伝え、実際にどうしたら良いのかを考えてもらうというところが良い影響を与えるだろうなと思います。

都心部で生まれ育ち、学び、働く人にとっては山にいる動物は珍しく、可愛い対象としか見ないことも多いのではないでしょうか。日光の猿、知床の熊・鹿など観光地で観光客が動物に餌を与えることで、その動物は人の食べ物に興味を持ち、人を恐れず農地や民家に侵入するという事件も出てきています。

野生動物は決して可愛いだけでなく、場合によっては害獣になり得るということを知ること、また野生動物の生息数が増え続けていることを知ることで、事故や食害を減らすことができる様になると考えます。

そういった意味で、今回の取組みは若者の意識を変える好事例だと思いました。

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