賃貸アパートの増加とそれに伴う問題 ~本当に儲かるのか~

不動産屋や賃貸アパート経営の仲介業者、そして融資する地方銀行の勧めで賃貸アパート経営者が増え、地方銀行の融資残高が2016年度比で7.2%増になったという記事がありました。
<地方銀>アパート融資の貸出残高最大 相続税対策に対応

この背景には耕作放棄地の減少を目指した農地の固定資産税の引上げによる農地保有者の土地活用や売買の促進や、マイナス金利による銀行融資の促進という政策による影響もあります。しかし、私は疑問に思うことが2つあります。

・経営が成り立つのか?
人口の減少が予想されるため、居住者も減るのではないだろうか、都心にある物件以外ではそもそも借り手がいないのではないか、空室ばかりになるのではないか…と思うのです。

・投資回収が見込めないものになぜ銀行は投資するのか?
経営が成り立たないということは回収の見込みがありません。なぜそこに投資するのか。サブプライムローンの教訓は活かされないのか…。

これには2つの疑問を持ったので調べたところ、以下のような2つの安心材料がありそうです。

まず、経営者にとっての安心材料として、賃貸アパートの経営の仲介業者(建設業者等)による賃料保証があると考えます。空室であっても家賃の一部を担保しますからアパート建ててくださいねといったものです。これに対しては保証金額が途中から減額されるなどの問題が発生しており、仲介業者に対して訴訟を起しているという情報もあります。

次に、銀行にとっての安心材料として、団信保険があげられます。資金を借りる側の経営者(債務者)が亡くなってしまったり、高度障害になった場合に、未回収の返済費用を肩代わりして貸す側の銀行等(債権者)に返済するというものです。これにより投資未回収のリスクが減ります。また、マイナス金利により貸さなければ損をするという状況もあると思います。

しかし上記2つの材料だけでは経営者や団信保険を提供する側が負担を迫られる可能性があることに、変わりありません。

兼用の自宅や社宅として賃貸アパートを経営したり、都内の駅近物件でない限りはリスクが高いと思うのですが、賃貸アパートの増加・それらへの融資額の増加している現状は本当に不思議です。

日本は建物を建てるのが好きですね。前後の復興時の高度経済成長のうまみをもう一度味わいたいという幻想を抱いているのでしょうか。経営者としてはじっくりと考えていただきたいです。相続税対策は孫の教育費に充てるなど他にもあります。それに加え、使われない建物が林立する情景は誰も望でいないと思います。

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