昔は誰もが意識せずに狩猟をしていた

いまこの時期は猟期ではないため、鳥獣を獲ってはいけません。猟師の中にはこの間に釣りをしたりする人もいる様です。

私の場合は釣りをしなくなって15年以上になります。中学生の頃にはブラックバス釣りが流行っていたこともあり人並みに釣りをしました。しかし、釣る楽しみよりも食べる方が好きだったため、バスよりも海釣りでキスや石鯛、アジ、ボラを獲っては食べていたのが懐かしいです。

親の世代(昭和20年頃生まれ)では子供は皆、川で釣りをしてはモクガニ(モクズガニ)、ハヤ、フナ、鯉を獲り、また山ではハトを獲り、山芋を掘り、フキやセリ、ヨモギ等の野草を獲って食べたそうです。私の両親は千葉県の南側で海に囲まれた土地出身なのですが、その中でも山間に住んでいたため、魚は高級品で滅多なことでは食べられなかったといいます。

買えなければ自分で獲る…当たり前の様に皆が半分自給自足のために猟や漁をしたそうです。
実際に私も小学生の頃親父に連れられてモクガニを釣りました。まずは畑で餌となるミミズを調達して、木の枝と草のツルで作った釣竿にそれを縛ります。

モクガニは川沿いの岩肌の下方、水流でえぐられた溝にいます。崖になっている岩肌におり、川底に落ちている岩の下にはいません。
溝の近くにツルごとミミズを流しておくとモクガニが爪を上に挙げながらゆっくりと出てきます。
出てきたところを後ろ側からガバっと手掴みで獲ります。カニの甲羅の中でも両爪の付根を掴むと安全です。違った場所をつかむと見事にハサミで反撃されます。ザリガニのハサミよりも強力で挟まれると激痛がはしります。痛みで手を引くと爪ごと腕が取れますが、取れた後も挟まれたままなので恐怖したことを覚えています。

モクズガニは中華料理で使われる上海蟹と同じものです。地元では塩茹でにしてカニ味噌と甲羅部分の身を食べたり、味噌汁の具として食べます。身が小さく食べられる箇所が少ないですが、味が濃厚でとても美味しいです。繁殖力があり数多く獲れるので数で勝負です。

子供の私にとっては一人では入ることができないところ(一人だと危険)を探検しながら釣りができ、獲った後も美味しく食べられるため、モクガニ釣りは大好きでした。
また道中にハヤ(川魚)が川の下流から上流に泳いだり跳ねたりしているので、玉網を構えているだけで勝手に飛び込んできます。から揚げやてんぷらにするとめちゃくちゃ美味いです。

私が狩猟に違和感がなく始まられた理由は、子供の頃のこれらの経験があったからだと思います。

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