鴨鍋&鴨肉炒め ~その1 鴨の解体の初体験~

今期初めて、獲った鴨肉を調理する機会がありましたので、苦労した点などを書きます。自分で獲ったのではなく、猟仲間の方からマガモのメスを1羽いただきました。

食べきれないほど獲物が獲れた場合に、獲物を分けて貰えることがある、という点は狩猟の良いところです。私はお礼に、キジとキジバトの生息域を案内しました。

せっかくいただいたので、しっかりと調理しようと意気込んでいましたが、貰った時には、知識もなく、準備もしていませんでした。
というのも猟仲間と街中で偶然鉢合わせし、その場で朝獲れたマガモを譲ってもらうという奇跡的な巡り合わせがあったのです。ですので、道具も普段使っている小型の包丁だけを使って、その他は素手で解体しています。

さて生きている鴨を調理するには、解体をする必要があります。手順は以下の通りです。


  1. 血抜きをする
  2. 腸抜きをする
  3. 羽をむしる
  4. 頭・手・足など肉の無い部位の除去

以上でお店で売っている様な、鶏肉の丸ごと一羽のかたちになります。ただしハツ・レバー・砂肝等の内臓はまだ入った状態です。後の食肉加工の工程で抜き取ります。

ここから解体の工程を解説します。

生肉を扱うので食中毒を起さないよう、衛生管理に注意しましょう。手洗いはもちろんのこと、包丁やまな板、蛇口や排水溝など鴨の体液が触れるところは洗浄してください。熱湯(70℃以上)やアルコールを使うとより効果的の様です。
 1. 血抜きをする
血抜きは獲物を捕獲した直後に行うのが理想です。速かに血抜きを行うことで、血の温度で肉の腐食が進まない様にすることや、肉に血の味が付かないようにする意味があります。
血抜きですが、まず鴨の首に包丁を入れます。人間に例えると頚動脈の部分を切ります。首の骨がしっかりしているので、首を一周する様に切っても問題ありません。
次に鴨を逆さにし血を出し切ります。血が出ないようになれば血抜きは完了です。
血抜き後の写真はこちら。
 2. 腸抜きをする
肛門の周囲の羽を抜きます。
肛門の周囲に包丁を入れて、肛門に繋がっている腸の一部が見えるようにします。腸を傷つけないように少しずつ切りましょう。
切り口から指を入れ、腸を探ります。肛門に近いもの一本が見つければOKです。
ゆっくりと腸を引っ張り出します。力を入れすぎると千切れてしまうので、優しくやりましょう。最後の方に近づくと引っ張り出せなくなる感覚があるので、そこまできたら多少力を込めて引き抜きます。あくまでも感覚値ですが、鴨の腸は50cm以上1m未満の長さだったと思います。
最後に体内を水で洗浄します。血抜きをした後でもある程度血が出てくるので、水に血が混じらないところまで洗い流します。

 3. 羽をむしる
風きり羽根(長い羽根)からむしっていくとやり易いです。
次は羽毛をむしります。小さな羽毛は火で焼いてしまっても良いようです。私は全て行いました。
生えかわる直前の羽根は根が残りやすいため、人間も使う毛抜きで抜くとよさそうです。

 4. 頭・手・足など肉の無い部位の除去
頭は血抜きをた部分から、頭側を除去します。
手(手羽)の部分は間接よりも外側の肉の無い部分をより手先側を除去します。
足の部分も手の部分と同様です。
骨は頑丈ですので切断には力が必要です。重さのある刃物で叩き付ける様にすると切り易いです。私の場合は小さな包丁で切ったため苦労しましたが、体重をかけて何とか切れたといった感じです。
以上で解体は終了です。どこかで見たことのある鳥肉の姿になります。初めてということもあり、ここまでで2時間程度を費やしました。
食肉加工処理は次回に記します。
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