会社の勉強会でお招きした講師の方のお話がとても面白いと思いましたので、普段と少し毛色が違いますが記事にします。(野村総研:齊藤義明 氏)
講演の内容は新しい事業を起こす革新者にはどんな特徴があるのか・・・。
それは本記事のタイトルにある通り、人が必要とするneedsを満たすものではなく、欲しいというwantsを満たすものが事業の根幹にあることが共通しているということでした。
needsとwantsといっても具体的なイメージができないかも知れませんので、整理しますと以下の様に定義されています。
●needs
・必要なもの
・表面的なもの
・多くの人が共通に求める要素・条件
・競合の類似製品との差が少なく価格競争となりやすいもの
●wants
・欲しくてしょうがないもの
・人の心の奥底に眠っている願望
・最初は一部の人にしか認められないが他者にも勧めたいと思うもの。そして他者へ拡散
・新しい欲望やライフスタイルを作り出す世界、高い価値を生み出すもの
整理しても具体性がないと思いますので例を挙げてみます。
例えば車がそれにあたります。
車のneedsは早く移動できること、荷物を載せられること、雨に濡れないこと、燃費が良いこと(経済的であること)などが挙げられます。
一方でwantsはカッコいいこと、速く走れること、コーナリングがしやすいこと、持っているだけで人に自慢できることなどが挙げられます。
もしもneedsだけを満たすだけならば、多くの自動車メーカーが様々な車を販売していますし、都市に住んでいれば電車やバスで代替できてしまいますので、そもそも車を買わないという選択もできます。
実際に私も車を購入したきっかけは、カッコ良さ、トルクの太さ(速く発進できる)、持っていることで他人と差別化できることのwants 3つでした。
その頃は東京駅まで電車で20分程度のところに住んでいましたし、バイクがありましたので必ずしも車を必要としていませんでしたが、以前からマツダのCX-5のデザインに惹かれており、高トルクは体験してみたいと思っていました。
そこへ持っていることで人と差別化したいという状況が加わったのです。
古い考えと思う人もいるかもしれませんが、デートをするときはやっぱり車があるとないとでは大きく違います。
車があれば2人きりの空間が簡単に用意できますし、好きな時間に好きなところへ行けます。海が好きな私たちにとっては田舎の綺麗な海に手軽に移動できることは差別化ポイントでした。電車とバスでは手荷物が限られますし、バス停から数十分歩いたり、海で楽しんだ後にまた歩かなければならないとなると億劫になりますからね。